ネパールの首都カトマンズからほど近い古都パタン。ここは、「美の都」と呼ばれ歴史と文化が見事に融合した街で、ネワール文化の中心地としても知られています。特に、パタンのダルバール広場は、「カトマンズ盆地」としてユネスコ世界遺産に登録されている地域の一部で、数多くの歴史的建造物が今もなお残されています。今回は、この街を実際に訪れ、豊かな歴史と文化に触れた体験をシェアします。寺院や彫刻、そして地元の生活を通じて感じたパタンの魅力をお届けします!
パタンへのアクセス
- カトマンズのトリブバン国際空港から6~7km 車で20~30分程
- カトマンズの中心地タメル地区から6~8km 車で20~30分程
※バスの場合は車より時間がかかるかもしれません
カトマンズやパタンのような都市部では、道路が狭く、交通量が多い上に、インフラもあまり整備されていないことが原因で渋滞がおこりやすいので時間には余裕を持ちましょう
私は今回空港から配車アプリ「Pathao」で移動しました。料金はチップ代も含めNPR 600(NPR=ネパールルピー)でした。また、パタンの後はタメル地区に移動しましたが、その際はローカルバスを利用しました。その時の様子はこの記事内で後述していますので良ければ参考にしてください。
パタンの観光
パタンは、歴史と文化が色濃く残る魅力的な街。広場に足を踏み入れると、そこはまるでタイムスリップしたかのように、古代の雰囲気が漂っています。ネワール建築の美しい寺院や宮殿が立ち並び、見どころが満載です。実際に訪れた場所を紹介します。
ダルバール広場
ダルバール広場エリアに入るには入場料が必要です。
💰 外国人観光客:NPR 1000(現金・クレジットカード利用可)
🎫 チケットカウンターで購入すると、首からかける紐付きのチケットとパンフレットがもらえます。
広場の周囲には2~3ヶ所程度のチケットカウンターが設置されており、最寄りのカウンターで入場チケットを購入してください。カウンターは案内板やスタッフがいる場所にあるため、比較的簡単に見つけることができます。


ネパールでは寺院や建物の名称がサンスクリット語やネパール語、英語など異なる言語で表記されることが多く、ガイドブック、Googleマップ、パンフレットなどで名前が異なる場合があります。
例えば、ヴィシュワナート寺院(Vishwanath Mandir)は「Visvesvara Temple」と表記されることもありますが、これらは同じ寺院を指しています。このような表記の違いは言語や翻訳の影響によるもので、混乱しないよう注意が必要です。
Yamba Traditional Home は、伝統的なネワール建築の温もりある木造の建物が魅力の宿。
屋上テラスでは、パタンの街並みを眺めながら美味しい朝食が楽しめます。静かな路地にありながら観光にも便利で、スタッフの方々もとても親切。落ち着いた滞在がしたい方におすすめです。
パタン旧王宮(Royal Palase)8:00~18:30
パタン旧王宮は、カトマンドゥやバクタプルの王宮よりも古い歴史を誇り、ネワール建築の傑作として知られています。かつてのマッラ王朝の宮殿として使われ、現在はその一部がパタン博物館として公開されています。博物館では、ネパールの芸術や歴史に関する展示が豊富に揃い、訪れる人々に文化的な価値を伝えています。壮麗な中庭や精巧な彫刻が施された建物が並び、スンダリ・チョークやムル・チョークも見どころです。
※入場料はダルバール広場入場料に含まれます。

パタン博物館(Patan Museum)
パタン博物館は、旧王宮の一部を改装して作られた美しい博物館で、ネパールの芸術や歴史を知ることができる場所です。館内は温かみのある美しい照明で包まれ、特に仏教とヒンドゥー教の彫刻や工芸品が豊富に展示されています。中でも、ボダナートのストゥーパに関する展示が印象的で、その歴史や宗教的な意義を深く学ぶことができます。ネワール建築の美しい装飾と落ち着いた雰囲気の中で、パタンの豊かな文化をじっくりと楽しめるおすすめのスポットです。


スンダリ・チョーク(Sundari Chowk)
スンダリ・チョークは「美しい中庭」という意味で、中央の池や精巧な石の彫刻がフォトジェニックなスポットです。かつて王族のプライベートな空間として使われていました。


ムル・チョーク(Mul Chowk)
ムル・チョークは、パタン旧王宮で最も大きな中庭で、王族の儀式が行われた歴史的な場所です。タレジュ女神に捧げられた祭壇や荘厳な建物が並び、写真映えする美しい景観が特徴です。
ダルバール広場内の寺院

2.タレジュの鐘(Big Bell)
タレジュの鐘は、パタン旧王宮広場にある大きな鐘で、タレジュ女神に捧げられています。この鐘は1736年に設置され、かつては嘆願者が王に不満を訴えるために鳴らしていたと伝えられています。重要な儀式や出来事でも使われ、現在でも広場のシンボルの一つとして、多くの観光客や参拝者に親しまれています。鐘の美しい装飾と、その歴史的・宗教的な重要性が広場の一つの象徴となっています。

3.ハリ・シャンカール寺院(HariShankara Temple)
ハリ・シャンカール寺院は、パタン旧王宮広場にあるヴィシュヌ神とシヴァ神を祀る小さなヒンドゥー教の寺院です。この寺院は3層の美しい屋根が特徴で、独特のネワール建築のスタイルを感じることができます。さらに、寺院の支柱には地獄の罰を描いた彫刻が施されており、その独特なデザインが目を引きます。小さな寺院ながら、パタンの歴史と信仰を感じられる場所です。


9.チャール・ナラヤン寺院(Char Narayan Temple)
チャール・ナラヤン寺院は、パタン旧王宮広場に位置するヒンドゥー教の寺院で、ヴィシュヌ神の化身であるジャガナラヤンを祀っています。パタン最古の寺院の一つであり、歴史的・宗教的に重要な場所です。正面には大きなガルーダ像が立ち、特徴的な三層の屋根と精巧な木彫りの彫刻が美しく、ネワール建築の伝統を感じさせます。歴史あるこの寺院は、パタンの宗教的な雰囲気を深く味わえるスポットです。
10.クリシュナ寺院(Krishna Mandir)
クリシュナ寺院は、パタン旧王宮広場にある三階建ての石造りの寺院で、ヒンドゥー教の神クリシュナに捧げられています。1階にはマハーバーラタやラーマーヤナの物語を描いた精巧な彫刻が施され、2階にはクリシュナ、3階にはシヴァが祀られています。さらに、最上部のシカラには仏像が祀られており、ヒンドゥー教と仏教が共存するパタンの宗教的多様性を象徴する寺院です。


12.ヴィシュワナート寺院(Visvesvara Temple)
ヴィシュワナート寺院は、パタン旧王宮広場にあるシヴァ神を祀った小さな寺院です。正面には2頭の石の象がいて、入り口を守るように立っています。シヴァ神の乗り物である雄牛ナンディの像もあり、内部にはシヴァ・リンガが祀られています。こじんまりした寺院ですが、静かで落ち着いた雰囲気が魅力的な場所です。


13.ビムセン寺院(Bhimsen Temple)
ビムセン寺院は、パタン旧王宮広場にある商業と富の神ビムセンを祀ったヒンドゥー教の寺院です。特徴的な三層の屋根が美しく、ネワール建築の魅力を感じられます。寺院の支柱には供え物としてカップやスプーンが取り付けられており、独特な雰囲気を醸し出しています。パタンの歴史と信仰が感じられる、印象的な寺院です。


18.タレジュ寺院(Taleju Temple)
タレジュ寺院は、16世紀にマッラ王朝の統治者によって建立され、タレジュ女神に捧げられた重要なヒンドゥー教寺院です。王族の守護神として崇拝されており、外観は高い壁に囲まれ、威厳ある雰囲気を醸し出しています。内部への立ち入りは通常制限されていますが、精巧な彫刻や壮麗なネワール建築の美しさを外からでも堪能できます。

ダルバール広場外の寺院
パタンにはダルバール広場のほかにも、大小さまざまな寺院が点在しています。それぞれの寺院が異なる信仰や美しさ、佇まいを持ち、その深い信仰の一端を垣間見ることができます。
ただ散策するつもりで歩いてみるだけで、普段の生活では出会うことのない世界や空気に触れることができる――それがパタンの魅力なのだと思います。
ここからは、ダルバール広場以外で今回訪れた主な寺院を紹介します。いくつか目的地を定めつつ、その道中で気になった寺院や雑貨店にふらっと立ち寄れば、五感が刺激され、満足感を得ることができるでしょう。
クンベシュワール寺院(Kumbheshwar Temple)
クンベシュワール寺院は、1392年にマッラ朝のジャヤシッディ王によって建てられたシヴァ神を祀るヒンドゥー教の寺院です。パタンで最も高い5層の屋根が特徴的なネワール建築の一例です。寺院の正面には、シヴァ神が乗る聖牛ナンディーの像が置かれており、訪れる人々を迎えます。さらに、境内にはゴサインクンド湖からの聖水が流れ込むとされる池があり、この聖水で身を清めると、ゴサインクンドへの巡礼と同じご利益があると信じられています。


黄金寺院(Hiranya Varna Mahavihar)
黄金寺院(Hiranya Varna Mahavihar)、通称ゴールデンテンプルは、12世紀に建立され、現在の建物は19世紀に完成した仏教寺院です。正面入り口の門の天井には、石で作られた精巧なマンダラがはめ込まれており、訪れる人々を迎えます。2階に上がると、左側の廊下にはネワール風の装飾画、右側にはチベット風の装飾画が並び、異なる文化が共存しているのが特徴です。また、寺院を囲む回廊から中庭に降りる際は、皮革製品の持ち込みが禁止されているため、注意が必要です。仏教の信仰とパタンの歴史を深く感じられる場所です。



入場料: 100NPR 開院時間:5:00~17:00
マチェンドラナート寺院(Rato Machchhindranath Temple)
マチェンドラナート寺院は、パタンにある豊穣の神マチェンドラナートを祀る寺院で、ヒンドゥー教と仏教の両方で信仰されています。ネワール建築の美しい様式が特徴で、木製の支柱には精巧な彫刻が施されています。毎年の「マチェンドラナート・ジャトラ」では巨大な山車が町を練り歩きますが、普段から寺院を訪れると、敷地内にある小さな山車を回して参拝することができます。寺院は無料(ダルバール広場有料エリア外)で参拝可能で、いつでも地元の人々や訪問者に開かれた信仰の場です。


マハボーダ寺院(Mahabodhi Temple)
マハボーダ寺院は、パタンにある高さ30メートルの仏教寺院で、インドのブッダガヤにある有名なマハーボーディ寺院を模して建てられました。小さな仏塔が無数に並ぶ外観が特徴で、独特の雰囲気が漂っています。精巧に作られたミニチュアの仏塔が並び、静かで落ち着いた空間の中、歴史と宗教が交差する魅力的なスポットです。


Yamba Traditional Home は、伝統的なネワール建築の温もりある木造の建物が魅力の宿。
屋上テラスでは、パタンの街並みを眺めながら美味しい朝食が楽しめます。静かな路地にありながら観光にも便利で、スタッフの方々もとても親切。落ち着いた滞在がしたい方におすすめです。
地元の市場
Yala Layaku Marg
「Marg」はネパール語で「通り」や「道」を意味します。「Yala Layaku Marg」は、パタンのダルバール広場近くに位置する通りで、約500mにわたり商店や屋台が並び、地元の人々や観光客で賑わっています。この通りは朝から夜まで活気にあふれ、特定の「〇〇市場」や「〇〇マーケット」といった公式な名称は付けられていないものの、地元の生活や文化を感じられるスポットとして知られています。
ここでは、地元の手工芸品やジュエリー、布製品、仏像など、伝統的なネワールの工芸品を購入することができます。マーケットの雰囲気を楽しみながら、パタンの歴史や文化に触れることができるでしょう。また、生活用品なども販売されており、地元の暮らしを垣間見ることができる点も魅力の一つです。


アンティークと工芸品の宝探し
パタンは工芸品の街として知られており、ダルバール広場周辺にはアンティークの銅製品や仏像、カトマンズバレーの伝統的な工芸品を扱う小さな露店が点在しています。また、周辺には小規模な小売店もあり、散策しながらユニークなお土産を探すことができます。ここでは、思いがけない掘り出し物に出会えるかもしれません。


ネパールのティハール祭りとパタンの新年
今回は、ネパール全土で5日間にわたって行われるティハールのお祭り期間中に訪問しました。パタンには、ティハールの1日目から4日目のお昼まで滞在しました。3日目の夜と4日目の朝には、ダルバール広場で盛大なセレモニーが行われていてとても印象的でした。
夜になると、道路ではろうそくを持ち、歌を歌いながら進む行進が見られ、4日目の朝には正装したグループが音楽を奏でながらパレードを行う光景に出会いました。
これらはティハールの行事の一部かなと思ったのですが、ホテルの方に聞いてみると、ティハールの4日目はネワール族の新年の始まりにあたるそうです。そのため、ティハール祭りを目的に訪れたはずが、偶然にもネワール族の大晦日から新年への移り変わりを体験することができました。



ティハール祭りについては、また別の記事で紹介しようと思います。ちなみに、2024年は10月30日から11月3日まで開催されました。ティハールの日程は、ネパールの独自の暦であるビクラム暦に基づいて決められます。この暦は太陰太陽暦で、月の満ち欠けを基準にしつつ、太陽の運行も取り入れているため、毎年の日付が少しずつ異なります。また、この暦は毎年4月頃に新年がスタートするため、ティハールの日付もその年の暦が発表された後に正式に決まります。毎年だいたい同じ時期に行われますが、2025年の具体的な日程はまだ確定しておらず、暦の発表を待つ必要があります。
パタンからカトマンズのタメル地区へ移動
パタン滞在の次は、タメル地区へ移動しました。パタンからタメル地区までは7~8kmの距離で、車なら15~20分、バスだとさらに時間がかかることがあります。
今回はパタンのバスステーション(Lagankhel Bus Station)の近くからバンに乗りました。このバスステーションは多くのバスが出入りしていて、行先がネパール語で書かれているため、どのバスがどこに行くのか全然わかりませんでした。
タメル行きを聞いて回ったところ、「タメル行きは道路を渡って右の方にあるよ。バスじゃなくてバンに乗るんだよ」と親切に教えてくれました。教えられた方向を見ると、白いバンが数台止まっていました。
ダルバール広場を背にして、Yala Layaku Margという通りを歩き、Lagankhel Bus Stationを目指します(徒歩約10分)。
Lagankhel Bus Stationが左手に見えたら、そのまま通り過ぎて大通りを渡ります。右手に白いバンが数台止まっているのが見えるので、運転手か集金係に「タメル?」と聞けば、どのバンに乗ればよいか教えてくれます。
※バンが止まっていない場合は、しばらく待つ必要があります。


バス料金はNPR 25で、降車時に支払いました。ネパールのほとんどのローカルバスには集金係が乗車しています。タメル地区の終点は、The Kathmandu Mallというショッピングモール前のバス停でした。
パタンからタメル地区まではタクシーでも行けますが、電車はありません。ローカルバスはNPR 25と非常に安いですが、バス停が分かりづらかったり、乗客を詰め込みすぎて窮屈だったりすることがあります。また、ぼったくりに遭う可能性もあるため、不安を感じる場合は無理せず他の手段を選ぶのがおすすめです(*^-^*)
※乗車前に金額を聞くとぼったくり防止につながります。
タクシーを利用する際も、流しのタクシーではぼったくりが多いと聞くので、配車アプリを利用するか、宿泊施設で事前に料金が分かる形で手配するのが安心です。相場は通常NPR 400〜700程度です。
歴史と文化を1日で堪能!カトマンズ・パタン・バクタプル1日ツアー
私は最初にパタンに宿泊しましたが、多くの方はタメル地区を拠点に観光地を巡ることが多いようです。移動に不安がある方や、効率よく観光を楽しみたい方には、ツアーを利用するのがおすすめです。カトマンズのダルバール広場と三大聖地に加え、歴史と文化が息づくパタンやバクタプルも1日で巡ることができる、充実したプランもあります。
まとめ
パタンは、長い歴史と豊かな文化が息づくネパールの古都です。街を歩くだけで、ネワール族の伝統建築や美しい彫刻が目に飛び込んできて、まるでタイムスリップしたような感覚に包まれます。旧市街の狭い路地や賑やかなバザールでは、職人たちが手掛けた工芸品や手作りの品々に出会うこともあり、パタンならではの独特な雰囲気を楽しめます。
歴史や文化に詳しくなくても、その場に立つだけで心が動かされるような、不思議な魅力がありました。
寺院や博物館では、ヒンドゥー教と仏教が共存する文化に触れたり、パタンの歴史の深さを感じたりすることができます。五感を通してネパールの空気に触れる体験は、今でも旅の記憶に鮮明に残っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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屋上テラスでは、パタンの街並みを眺めながら美味しい朝食が楽しめます。静かな路地にありながら観光にも便利で、スタッフの方々もとても親切。落ち着いた滞在がしたい方におすすめです。






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